Erythroxylon coca

photo by cliphoto.com

*今回の写真は「cliphoto.com」から頂きました。アメリカのフリーの素材屋さんです。
興味のある方は覗いてみましょう。


*学名については、初回の「芥子」の回を参考にして下さい。

本 題
  
 学 名  Erythroxylon coca
意味:属 名=「erythros(紅色)」+「xylon(木材)」
   種小名=「coca(*中南米におけるこの植物の土俗語)」
 和 名  コカ、コカの木  
 原産地  主に南アメリカのペルー地域
その他アフリカやインド
  科  フウロウソウ目(Geraniales)コカ科(erythroxylaceae)
 アルカロイド コカイン
 毒の部位 根・葉。特に葉に多い
野生種よりも、栽培種の方が含有率ははるかに高い
 作用・症状 鎮痛・興奮、ついで麻痺・錯乱・慢性中毒
薬用として用いる場合の副作用としては…
嘔吐・全身異和・知覚異常・呼吸困難・発汗などをきたし、 非径行的な摂取によりコカイン中毒を起こす


コカのこといろいろ…

「学名の由来」のこと
 *コカの若木と実*

 ・これが学名の由来にもなった枝と実ですね。
 ・なるほど、赤い実がかわいらしい。
  コーヒーの実に似ていますね。

 ・1756年にP.ブラウンが、コカの若枝が淡紅色あるいは紅色の果実を生ずる木
  という意味などからエリスロキシルム(Erythroxylum)と名付ける。
 ・1759年にK.F.リンネが原形通り、エリスロキシロン(Erythroxylon)と命名。
 ・それ以前にY.D.ユシュウがラマルクに標本を送り、
  エリスロキシロン・コカ(Erythroxylon coca)と命名。
 ・その後リンネがエリスロキシロン・コカ・ラマルク(E.cock, Lamarck)とした。




「コカ花のつくり」のこと
・コカの花のもうちょっと拡大版。
・コカの花は両性花。稀に雌雄異株であり、白い花を咲かせます。
・咢片と花弁は5つ。雄しべは10。
 この写真ではわかりにくいですが、横から見ると雄しべはヒョロヒョロ長いです。
・雌しべは3心皮からなり、3室あってそのうち1室で種子が出来ます。
・種子は胚乳を持たず、果実は核果で小卵状の長楕円形で赤く熟す(上写真)。
・葉は短柄、黄緑色の倒卵形で全縁が鈍頭(縁にギザギザの鋸歯がない)。
 中肋の両側には一条の弧線があります。(これは大きな特徴です)
 ちょっとわかりづらいですが、TOPの写真の葉を見て下さい
*両性花(リョウセイカ)=1つの花に雄しべと雌しべがあるもの
*心皮(シンピ)=雌しべを作る花葉
*胚乳(ハイニュウ)=種子の中にある胚が発芽する時に必要な養分
*中肋(チュウロク)=葉の中央脈(まん中の線ね)のこと




「コカは麻薬?」のこと
・コカは、微少ながら体力の回復、中毒症状の緩和など様々な効能があります。
・コカはもともとインカ帝国で健全な“麻酔薬”として使われてました。
・奴隷達の過酷な労働に耐える為の疲労回復に利用されていたのです。
*ポイント:コカの葉だけでは幻覚症状や、依存性を引き起こすことはできません。
*口に含んでチューイングする程度では、「疲れを癒す」とか「空腹を忘れる」程度にしかなりません。
*現在もアンデス地方でコカの葉は「聖なる植物」で、神様の贈り物として扱っています。


「もう少しコカ葉」のこと
代表的なものは、こちらで紹介しているペルー産のペルーコカ(var.coka)以外に、
アジアで栽培されているジャワコカ(var. novogranatense Hieron.)があります。
ペルーコカはウアヌコ葉とも呼ばれ、粗製のアルカロイドから直接コカインを結晶として得られます。
ジャワコカはトリヒサヨ葉とも呼ばれ、ペルーコカのようには得られません。
得られてもきわめて少ないです。
・ペルーコカ葉…長葉型種。成葉より新葉の方がアルカロイドが多い。
・ジャワコカ葉…円葉型種。新葉より成葉の方がアルカロイドが多い。


「リフタ」のこと
さて、コカの葉からコカインを引き出す為にはどうするか?
「リフタ」と呼ばれる灰を混ぜて服用します。
・おや?そういえば初回の芥子でもアヘンを服用する時、灰を混ぜてましたね?
・コカの場合リフタに含まれるアルカリが、アルカロイドと反応して幻覚症状を引き起こします。
 (今回「リフタ」の写真を掲載したかったのですが、いいのが見つかりませんでした^^;)
・リフタはカカオが原料。カカオを燃やした灰を固めた小石のようなものです。
 リフタは黒くて少し脂っぽいらしいです。
・他にもセクロピアやケラトニアという植物のものは、灰色らしいです。
・どの灰を使うかは個人の好みのようです^^。

「麻薬の量」のこと
・ペルーコカの葉に含まれるアルカロイドは、0.5〜0.6ミリグラム。
・純正のコカインの1回の服用量は15〜30ミリグラム。
・すると1度に30〜60枚のコカの葉を口に入れてリフタを混ぜないといけないですね(笑)。
・でも逆に、その程度でコカインを味わえるということ。
 コカの葉はそんなに大きくない。すりつぶせば30枚ぐらいならなんとかなりますね。
 リフタもほんの少しでいいんですから。
・ちなみにコカイン常習者の1日の摂取量は約500ミリグラム。
・致死量は体重60キロの大人で1グラムといわれています。
*ペルーではコカは日常ごくあたりまえに服用されてます。しかし、数枚を軽くお茶をするように楽しむ程度です。
*コカとコカインについての正しい知識をもちましょう^^。

「クラックコカイン」のこと
・コカインは無色で苦味があります。
・無色の結晶、又は白色の結晶性粉末です。
・クラックは、コカインと重曹を科学的に反応させて作ります。
・火であぶり、その煙を吸うなどの方法でアメリカを中心に乱用されています。
・火であぶる時に“パチパチ”という音がすることから『クラック』と名付けられました。
・コカインに比べて薬理作用が強烈で速効性があります。
 吸煙後10数秒で中枢神経を興奮させる作用が急激にあらわれる。
 しかし、作用の持続は5分から20分と短い。
 ちなみにコカインの作用時間は30分程です。
・乱用を続けると、幻覚や妄想が現れるほか、大量に摂取すると呼吸困難を引き起こし死亡することがあります。
・現在アメリカで乱用されるのは、価格がリーズナブルな為です。
 1回使用分で1,000円ほどで手に入るようです。
 間違っても皆さんは使用してはいけませんよ!

「コカ栽培教室〜(笑)」のこと
1.コカは高温、多湿の熱帯性気候を好みます^^。
2.繁殖には苗床を用意しましょう。
3.1坪につき1合の割合で新鮮な種子を播きましょう。
4.発芽後、適宜間引きを行って、約1年後本田に移植しましょう。
5.本田には肥沃で水はけのよい土地を選びましょう。
6.株間は3尺ほどにして下さい。
7.植え付け後、半年ほどで採葉に適するようになります。
8.新葉をつけた若い枝を摘み取るのが普通です。
9.頂葉より第8葉に至るアルカロイドの平均含有量は約2%。
 1反あたりの収穫量は、乾燥葉として50〜100kg程度です。
*ちなみに昔の記録では、父島では年4回、硫黄島では年6回の採葉が行われていたようです。

言うまでもなく、現在日本ではコカの栽培は禁止されています。
え?じゃあ書くなって??
それはね、将来ペルーに行って、コカ栽培農家に嫁ぐ人もいるかもしれないし、
コカ研究に携わる人もいるかな〜…ってね。
植物としてのコカ知識ですよ^^。知りたくないですか?

さて、次ページはいつものごとく“おまけ”です。
お暇な方はどうぞいらして下さい。




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