Papaver somniferum

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予習 学名について
<分類上の基本単位>

 分類群(taxonomy)*大きいもの順だよ
界(Kingdom)→門(Pfylum)→綱(Class)→目(Order)→科(Family)→属(Genus)→種(Species
 
 *グループをさらに分類する時に、「亜(Sub)」という接頭語をつけます。

 *二名式命名方*
  ・種の学名=属名+種小名 です。属名も種小名も単語1語からなります。
  ・属名は大文字から。種小名は小文字から。
  ・種の学名、変種名は本文と違う字体で表記するものなので、一般的には斜体が使われてます。

 *ここは植物のhpなので、「植物界(Plantae)」が基本です。

  学名について疑問に思われていた方も多いのではないでしょうか?
  (学名=長い!ややこしい!たくさん別れてるけどどういう順番?etc.)

 そんな方の為に詳しく説明しよう!…かな、と思いましたが面倒だし場所をとるのでやめました(笑)。
 なので、かなり適当に端折って書いてたり、たまに詳しく書いてたりしますが気にしないで下さい。

 本題に入る前に何故冒頭にこの学名の説明を持ってきたかというと、
 このhpでは、なるべく動植物の名前には学名を併記しているから。
 私も全然わかってないので、一緒に覚えていきましょう(強制的に(笑))。



ケシ目に与えられた形態学的特徴

 花は異花被で輪状配列をなし、花員の数は4〜2となり、雌芯は心皮が2個以上合生している。
 子房は上位、一室であり、第2次の隔壁ができる。
 多くが草本で托葉はない。離萼、離弁、雄芯が離生することは、キンポウゲ目と同じである。
 *心皮(しんぴ)=胚珠をつける花葉の事。雌しべ及び雌しべ群の構成要素。
  異花被(いかひ)=萼と花冠の区別ができる花。
  托葉(たくよう)=葉柄(ようへい)の付け根にある葉の形をしたもの。


(え?飽きてきた?まぁ、そう言わずに)本 題
 学 名  Papaver somniferum L.
*真正ケシと言われている種類です
 和 名  芥子、罌粟、米穀花、米嚢花、虞美人草
 ・「罌(おう)」という字は貝が2つに缶から成っています
 ・「罌缶(おうふ)」とは、腹が大きく口の小さい瓶のこと
  果実がこれに似ていて、その中に粟のようなケシ粒が詰まっているから
 ・「穀物(たなつもの)」という観念において「粟」よりも高級な「米」の字を充てられたのは何故か?
  美味しく、滋養に富むから(多分ね)
  古代オリンピックの選手は、この種子をワインや蜂蜜のまぜて食べていたそうな…
 ・項羽に殉じて虞が自刃した時、血の滲む土から美しい花が咲き、人はこれを虞美人草と名付けた  
 原産地  小アジア、イラン地方
 分 布  主に北半球の温帯(ヨーロッパ東南部、西アジアから東アジア等)
 特 徴  草丈が大きく1m以上になる、茎が太い、ほとんど毛がない
サク果は膨大して楕円形、長さ5〜8センチ・幅4〜5センチ程
アルカロイド モルヒネ、コデイン、テバイン、パパベリン、ノスカピン、ナルセイン 他二十数種
毒の部位 全体、特に未成熟の乳液
作用・症状 中枢抑制、鎮痛、陶酔感、慢性中毒

 ケシ科の中には皆さんもよくご存知の花も仲間であるものが多いんですよ。
 オオバグサ亜科とか、ケマンソウ亜科とか、クサノオウ連、ハナビシソウ連とかあります。
 (ちなみに「連」は、「科」と「属」の間に位置します。)


ケシのこと いろいろ…

「アツミゲシ」のこと
 ・学名:Papaver setigerum DC.
 ・北アフリカ原産で、渥美半島に帰化した植物なのでこの名がついた。
 ・二年草、茎は直立し、丈は20〜60センチ。
 ・これぞ真正モルヒネを生産する第二のケシ!
 ・これにモルヒネが含まれている、と知られたのは1953年のこと。
  「野生化したら大変だ!!」ということで、愛知県警から自衛隊まで総動員して根絶したらしい。
  …花には罪はないのにね…勝手な話だけど、悪い人も多いからね…(悲)。

「眠りと忘却の花」のこと
 ・なんだか素敵な響き…。ケシの花を形容した言葉。
 ・古代ギリシアでは、ケシの花びらで恋人の誠意を占い、
  ローマ人たちは、死者の霊にケシの花を供えたらしい。
 ・眠りや死の神は、手にケシの、実を持ち頭上にケシの花冠を戴いていたらしい。
 ・流石、鎮痛や麻酔の効能を持つケシ。似合いの利用方法ですね。

「津軽」のこと
 ・「津軽」といってもリンゴや三味線のことではございません。
 ・「アヘン」の別名。江戸時代にこう呼ばれていました。
 ・薬用ケシが日本に渡来したのは室町時代のことでした。
 ・インドから現在の青森県(津軽)にもたらされたのが最初のようです。
 ・俵屋宗達も『芥子図屏風』に描いてます。(明らかにこれはsomniferum種と思われる、大型の芥子ですね)

「やげん堀」のこと
 ・関西の人はこの名前、あまりピンとこないかも?
 ・「七味とうがらし」のことです。
 ・「生の赤唐辛子」、「煎った赤唐辛子」、「粉山椒」、「黒胡麻」、「芥子の実」、「麻の実」、「陳皮」。
 ・おお…、こんなところに芥子の実が入ってたのね。

「金平糖」のこと
 ・金平糖、食べたことあります?
 ・見た目は可愛いんですが、いわゆる砂糖の塊…。(私は好んでは食べません)
 ・その核、じつはケシの実だったりします。
 ・水に溶かした氷砂糖を煮詰めたものに小麦粉を加え、ケシの実にかけ、かき回しながら過熱する。
  するとあのトゲトゲの金平糖の出来上がり。 Let's try!^^

「鬼芥子」のこと
 ・学名:Papaver orientale
 ・トルコ東部、イラン北部原産。
 ・多年草、50〜120センチ程。株分けで容易に増殖する宿根草。
 ・全草に粗毛があり、葉の切れ込みが深い。
 ・直径15センチ程もある大輪の花を咲かせる。これは圧巻。
 ・花弁の基部に、大きな黒斑がある。
 ・モルヒネ、コデインは含まないが、テバインが含まれています。
 *これは栽培観賞用植物なので、植えてもOKですよ^^。
 *鳥取の「はな回廊」で撮影しました。
 *普段道ばたにはえている、小さなケシ(ナガミヒナゲシ)
  とは想像もつかないぐらいの大きなケシ。
 *でも、これより大きいのがsomniferum種なんですね。


「アイスランドポピー」のこと
 ・学名:Papaver nudicaule
 ・アジア北東部、シベリア原産。
 ・一年草、草丈50センチ程。
 ・葉の切れ込みが深い。
 ・直径6〜10センチ程の花。
 ・ポピーはケルト語のパプ(粥の意)が由来です。
 ・花茎は細くしなやかで、葉が付かないのが特徴。
 ・アムール河(黒竜江)の名に付したアムレンシンというアルカロイドが主成分。
 *これも栽培観賞用植物なので、植えてもOKですよ^^。
 *同上で撮影しました。丘一面のケシ畑が見事で、みとれてしまいました。
 *切り花としてお店でよく見かけます。

「栽培地」のこと
いろいろな本やHPなどで簡単な栽培方法が記されているので、私は違う角度からもう少し詳しく書いてみましょう。
(あまり一般的ではないですけど(笑))
 ・ケシは寒さを好む為、低地より高地の方が適しています。
 ・標高2000〜2400mの地帯では20年間栽培できるが、1500〜1900mでは10年間しか栽培できません。
 ・土地条件としては、石灰岩地帯の赤褐色の土質で、pHが6.0〜7.0、叉はそれ以上であって、石灰岩の岩屑
  が混在していれば連続栽培が可能。
 ・赤褐色のラテライト土壌で、pH5.0〜5.5の酸性土壌であっても焼畑後、草木灰によって中和して栽培OK。
 ・寒地では春播き、暖地では秋播きがいいらしい。
 ・実験の結果(いや、私が実験したわけではないんですけどね)、関西の砂質土壌ではカリ、関東の火山灰質植土では
  リン酸を要求するらしいので、地方の土壌に合せて肥料を配合してあげましょう。

 *あ、ちなみにpH(ペーハー)はドイツ語で水素イオン指数のことね。
  酸性やアルカリ性の強さを示す単位です。
  pH1=最も強い酸性、pH12=最も強いアルカリ性、pH=7が中性です。
  園芸に興味のある方でよく耳にする「酸性土壌」というのはpH7以下の土壌の事をいいます。


風に揺れる和紙のように薄い可憐な芥子は見ていて飽きませんね。
花は何でも好きですが、芥子はアドレスやHNに使ったりしているぐらいなのでちょっと特別^^。
今回はいろいろ書きましたが、資料の少ない植物もたくさんあるので、本当に少ししか載せられない時も
あるかと思いますが、頑張って少しずつ「魔法植物」をご紹介していきますね。

以下のページは良識があって、ケシに興味のある方は覗いてみて下さい。




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