BGM=待ちわびて
海は、ただそこにあるだけで、船は、ただそこに浮いているだけで、私たちを魅了します。
海や船に向き合うとき、人は、あたかも自分自身に出会ったような、不思議な感覚にとらわれます。
海や船は、それが人間にとって、単なる対象物をこえた存在であるからに違いありません。
ここに集めたのは、読書のなかから拾った、そんな海と船にちなんだ言葉です。
みなさんもそんな言葉にめぐり会ったら、下記「掲示板」ないし「メール」を通じ、ぜひ寄せてください。
その本の著者名・発行社名・該当ページも教えていただけると助かります。
ただし、人物一人につき一言で集めていますので、すでに掲載された人物の言葉は除外してください。
2020年
1月 | しかし、しかし、――おう、自然界の涯から涯をつんざいて、暴動の角笛を吹き鳴らし、空と大地と海とに命じて……。 (フリードリッヒ・シラー) |
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12月 |
1月 | 生きねばならぬ。一面に吹き立つ息吹きは、本を開き、また本を閉じ、浪は粉々になって、巌から迸り出る。(ポール・ヴァレリー) |
2月 | セーラーたちは、何が起きても取り乱さない信条を私に植えつけた。彼らは風の神様がいることを信じていた。(ジョウン・ロウエル) |
3月 | 遭難した船から投げ出された船員を救うためには大波をかいくぐる術をしっかり心得た、できる人間が必要だったね。(ミルトン・ミラー) |
4月 | ホーン岬は冬季に通過するほうが良いと思われる。冬季は東風と北風が吹くが、あまりまともには吹きつけない。しかし夏季には南風と西風がコンスタントに吹いている。(R・フィッツロイ) |
5月 | 極地航海者が、なかまを救うため、…最大の危地におもむいたのは、この時が世界ではじめてのことであった。(クヌート・ラスムッセン) |
6月 | この惑星を「地球」と名づけるのは間違っている。妥当な名付け方からすれば、この惑星は「水球」と呼ばれるだろう。(ジョン・ティール/ミルドレッド・ティール) |
7月 | 赤道無風地帯を漕いで乗り切ろうかなんて、いま思えばずいぶん無茶な相談をしたもんです。(ウォリー・フロイセス) |
8月 | 自然には完全とたち向かえ。溺れてしまえ、のろまな奴は! 遠い海から子どもたちにそう言ってのける父親の気迫が彼らに独立敢闘の精神を植えつけたのだ。(アーサー・ランサム) |
9月 | 船乗り稼業なんざ、やめちまったって、てえして惜しくもねえ――次々に船を移るだけで……世界中を股にかけながら、何ひとつ見ずよ。生きようが死のうが、誰一人かまってくれる者ァねえ…。(ユージン・オニール) |
10月 | 船に乗るとすぐに私の中で何かが変わる。そして、生きてるってすごく実感できる。(ラウラ・デッカー) |
11月 | 帆を上げよ、錨を上げよ! この国に永遠の別れをつげよ! (リヒャルト・ワグナー) |
12月 | おれはまた 海へ行かねばならぬ、寂しい海と空のふところへ おれの求めるものは、…… 風の唄とはためくまっ白い帆 (ジョン・メイスフィールド) |
2019年
1月 | 遂には海にぶつかって波に呑まれてしまうのだ。――あたしに思い出させないで海のこと。(ガルーシア・ロルカ) |
2月 | なぜなら彼は、風が彼を家に連れていくまでのあいだ、安全な状態のまま空洞の船の中にいつづけるからである。(ロバート・グレーヴズ) |
3月 | 来る手紙はどれも、この窒息しそうな大都会にはとてもいたたまれないので、是非、クルーとして乗せてほしいと訴えていた。それも船のことなど少しも知らない連中から…。(ジャック・ロンドン) |
4月 | 時間に先回りすることも出来るようになった。…太陽の進む方向へ上陸していく人にとって、ルネ・クレールの「それはあす起った」という映画のアイディアは、真の先取りではなかった。(Y・ルヌアール) |
5月 | いいかね、いつも忘れるなよ。片手はお前のために、片手は船のために、てな…。(ローウェル・トーマス) |
6月 | 夜明け。貿易風が最初の光をうけて勢いづく。海が大きく盛り上がって、西へうねる。ジョージタウンの朝。(ピーター・マシーセン) |
7月 | 無知な人は武器のない兵士、推進力も舵も持たぬ船にたとえられよう。(ポール・フルキエ) |
8月 | 巨大な魚は、三日月状の尾びれをぐぐっと細かく動かしながら、夜の海を静かに泳いでいた。(ピーター・ベンチュリー) |
9月 | すごく丈夫で、その上熱心で、勇気もありあまっている。今まで私はこんなりっぱな男といっしょに、航海したことはありません。(リチャード・アームストロング) |
10月 | この場所の守護神が、その手から逃れかけた本船を見つけて立ち上がり、怒りを10倍にして襲いかかってきた。(R・Hデーナー) |
11月 | ヨットを信じなさい。彼は生き残れる能力を持った人だから。何かが起きたのははっきりしている。でもきっと彼らは帰ってくる。(マルコム・トームス) |
12月 | 陸地だ! 陸地だ! あれは陸地だ! (フィル・ホフマン) |
2018年
1月 | 水平線のかなたに、だれかがいる。恐ろしいだれか、風がいるのだ。 ……幸いにも、風は北西から吹いてきた。海は失策をするものだ。(ヴィクトル・ユーゴー) |
2月 | それは魔法にかかったような不思議な時間だった。日に焼けた顔に海風を受けながら…舵を取った。(ジェフリー・S・アイリッシュ) |
3月 | 彼女は取り戻した。何を。永遠を。それは海の道だ、太陽とともにある。(ランボー) |
4月 | 陸の人々にとっては海は陸と陸をへだてるものであるが、船乗りにとってはつなげるものである。(ウファ・フォックス) |
5月 | 横浜から油壷に向かうには浦賀水道を抜け、三浦半島をまわればよい。コースは霞んでいる。(マイルズ・スミートン) |
6月 | ホーン岬では忍耐だけが必要だ。我慢して稀にある凪を待て。特に東から西に抜ける航海は…。(ベルニコ船長) |
7月 | 海に物を落とした場合、その代わりを得る機会は非常に少ない。そこで船乗りたちは、船外に放り出されかねない物すべてに紐をつけている。(クリフォード・W・アシュレー) |
8月 | 帆を白い翼のように広げたスクーナー、それは比類なき美しさだ。スクーナーを操るには海に関する豊富な知識と優れた技術が必要とされていた。(E・アニー・プルー) |
9月 | 立派なセーラーはすべて精強なソールジャーだが、精強なソールジャーとて立派なセーラーにはなりえない。(ドーリア提督) |
10月 | 彼はいつまでも深淵に対するノスタルジーを持ち続けるだろう。それは空の無限の深淵であり、海の神秘の深淵である。(アロット・ド・ラ・フュイ夫人) |
11月 | かつて東と西の二つの大洋に二つの大陸があっことを知っているだろう。この二つの大陸は海に沈んだが、その住民は地価の王国に身を隠したのである。(フェルディナンド・オッセンドウスキー) |
12月 | 九月はじめには帰米できるようしたくするようにとの通知をうけた。荷造りをして発送し、いつでも乗船できる用意をしたが、なんと渡航延期の知らせを受けたのであった。(オリヴ・ハジス) |
2017年
1月 | みんなひと思いに海の底に呑まれてしまうがいい。すでに夜明けの時刻から、彼らはあなたが船に帆を上げるのを認める。(ディドロ) |
2月 | だれが大洋の海域と航路を発見したのか? 要するに、地球を発見したのはだれであるか? それは鯨と捕鯨者たちなのだ ! (カール・シュミット) |
3月 | マレーの海岸で、海賊が跳梁していることと、それが誇るべき職業であって、若い王族たちや貴族たちが従事するのにふさわしいものであることについては、すでにのべる機会があった。(ソフィア・ラッフルズ) |
4月 | 航海中しばしば痛切に感じていたひとつの事実、すなわち、帆船の乗組員は長期にわたる航海の場合には、強風よりも無風にはるかに多く悩むという事実…。(ヘンリー・N・モーズリー) |
5月 | 未熟者の不慣れな目には…平安な海原とも見えよう。だが、船乗りの目には海図からもっといろいろなものが映り、しかもまだ、安全なゆとりを確信するには不足なのだ(アレグザンダー・ケント)。 |
6月 | 私の耳は貝のかけら 海の響きを懐かしむ。(ジャン・コクトー) |
7月 | (休)小笠原クルージング |
8月 | (休)小笠原クルージング |
9月 | (休)小笠原クルージング |
10月 | 話し合いが終わり審判が下ったんだ。そしてあいつは海を越えて帰ってゆく。イルカは死んだ。鯨は行った。(アーサー・グリンブル) |
11月 | コンパスの針よりも星のほうが舵を取りやすい。しかし15分ないし20分毎に新しい星を選ばなくてはならない。さもないと空を移動する星はとんでもないところへヨットを導いてしまう。(ジャスティン・スコット) |
12月 | 人々は思っているよりも激しい勢いで太平洋の岸辺に打ち寄せているのだ。(アンドルー・ケネディ) |
2016年
1月 | ひっくりかえるやも知れぬこの小舟の上で、私は、われわれの知っていることのうち、実在するものは一つもないということを知る…。(モーパッサン) |
2月 | 猫はボートのへさきに座りました。そこで風を顔に受けているようすは、まるで船のかざりもののようです。(テリー・ファリッシュ) |
3月 | 船は黒くて汚かったが、たとえ宮殿ととりかえてやるといわれてもことわっただろう。(トマス・ニカーソン) |
4月 | 船長となるにふさわしい激しさをもちあわせていない航海士もいたし、将来の船長候補のなかには、その前に、すぐれた航海士になるために必要な忍耐強さが欠落しているものもいた。(ナサニエル・フィルブリック) |
5月 | 広大で無限の深淵を見はるかす海のごとく猛り狂い、暗く、無秩序で、荒れ果てた場所、凄まじい風が底から吹き上がり、うねる波は山のごとく、天の高みを襲い、そして中心と極とをかき混ぜる。(ジョン・ミルトン) |
6月 | 全能の神の思し召しによるとしか思えない…けし粒のようなちっぽけなボートが、あのような激しい嵐を無事にくぐりぬけられたことは。(オウエン・チェイス) |
7月 | ヨットレースは、中心になる乗り手の個人的な経験やセンスで戦う時代は過去のものになった。科学的データにもとづいた帆走の時代だ。(ビル・コーク) |
8月 | 海の作家として優れているかどうかは、どれだけ海のことをよく知っているかどうかであり、作品の中から真実を伴った潮の香りを伝えてくるかである。(A・ジェルボー) |
9月 | 自然は残酷には思えなかったし、優しくも、意地悪くも、賢明にも思えなかった。自然はただ無関心なのだ。…風は岸の男たちの耳に大海原の声をつたえてきた。男たちは、いまや、その偉大な海の声の意味を解釈できそうな気がした。(スティーブン・クレイン) |
10月 | われわれをこっぴどく懲らしめてやろう。おそらく、海がそう腹をきめたんだ。(ジャック・ヒギンンズ) |
11月 | 海は彼の生活と思想をも形づくりはじめていた。海の広がりと深みの…あらゆる生物に、彼は親近感をもった。(アーサー・C・クラーク) |
12月 | 船の上には、速い者勝ち、という現代の規則は無意味である。時間を海に預けることで、別の価値観がみつかるように思う。(シルヴェリオ・ピズ) |
2015年
1月 | 人類がこの地上に破滅を刻みつけようとも、かの支配は海辺にて止まるのだ。(バイロン卿) |
2月 | わたしは陸での暮らしが嫌なわけではない。ただ、海の上での暮らしのほうがもっといい。(サー・フランシス・ドレイク) |
3月 | ホーン岬を一度しか見られないなら、…明るい日射しの中でそれを見るのは不似合というものだろう。(マイルズ・スミートン) |
4月 | 大きな岬はとても柔らかな…一つの魂を持っている。子どもの魂のようになごやかで、また犯罪者のようにしたたかな魂を。だからこそわれわれは出かけていく。(ベルナール・モワテシェ) |
5月 | 荒天の前兆となるのは、日の出の時の空の異常さである。(アラン・ワッツ) |
6月 | 近くの海で船に揺られるとしたら、どんな船がお好みかな?(ジョージ・ミラー) |
7月 | 夜間と休日以外、甲板上の水夫たちは何か仕事をしていなければならない。それが帆船のしきたりなのだ。(R.H.デイナ) |
8月 | (休)瀬戸内海クルージング |
9月 | (休)瀬戸内海クルージング |
10月 | おお地球よ、おまえは何が変わるのを見たのか! 長い通りに響くざわめきも かつては海のただ中の静寂に満ちていた (アルフレッド・テニソン卿) |
11月 | 天下に水より柔軟なるは莫し、而して堅強を攻むる者、之に能く勝る莫し。(老子) |
12月 | 海の上、ただひとり、旅を続けて、月はいま、黒き波間に、白銀の涙を落す。(アルフレッド・ミュッセ) |
2014年
1月 | 空と海との無辺際にその瞳を溺らせる者の、大いなる陶酔! 孤独…… 水平線に震えている小さな帆……。(ボードレール) |
2月 | この胸の痛みを 私は語りかけている 心無き岸に、口無き石に、耳無き風に… ああ、応えてくれるのは ただ、波のささめき ! (ジャンバッティスタ・マリーノ) |
3月 | 海は遠い言葉で語る だれも知らないことを ただ愛を知るものだけが 理解できるのだ 心の動きを持つ波の教えを (ロマーノ・バッタリア) |
4月 | もう二度と日の目を見られないのではないかと危ぶんだ。水 ! 波 ! 風 ! 三重苦がわれわれをなめつくそうとしていた。しかし、ようやくのことで夜明けがやってきた。 (デイモンズ・ゴーズ) |
5月 | ここは北緯72度2分、西経104度5分に位置する。海岸は北西の方向に続いているように思われる。我々は今日この日に、船にひき返す。 (ゴドフレッド・ハンセン) |
6月 | 帆走の好きな人間は、いつも航海を夢見ているのに、いざ海へ出ると、めざす港へ一路疾走するためできる限りのことをするというのは、どういうわけだかわからない。 (デイヴィッド・ヘイズ) |
7月 | 船乗りになることは投獄されるようなものだ、おまけに溺死の可能性だってある。(サミュエル・ジョンソン) |
8月 | 男たちは海へ出ていくときも、陸へもどってくるときも、……自分がいかに取るに足らない存在であるかに気づくことができた。(シドニー・パーリー) |
9月 | 暗闇が彼の足の下にあった。海の底はあらわれ、世界の基があらわになった。(「旧約聖書 サムエル記 下」 第22章) |
10月 | 絶えず荒れ狂う海の下にはなんと広大で恐ろしい船乗りたちの墓場が横たわっていることか。(ヴィトー・デュマ) |
11月 | もし他の航路でゆけるものなら、ホーン岬の通行は断じて試みないようにと忠告したい。(ディヴィッド・ポーター) |
12月 | わたしは何度も心にこう誓った、「今回切り抜けられたら、二度とヨットには足を踏み入れまい」と。(マルセル・バルディオー) |
2013年
1月 | 太陽が菱形の金色の光芒のやうに海に沈むと、寒さが激しくなってきた。(シング) |
2月 | 明日は船に乗っているはずだ。しかし、明日はまだ来ていない。まだ今夜だ。今夜、それはまだ自分の横でまどろんでいる。(ニコラス・モンサラット) |
3月 | ぼくはもうすっかりおまえの虜になってしまった。ぼくの思いは変わりはしない。海がことごとく枯れてしまうまで。(ロバート・バーンズ) |
4月 | セーリングこそは、オールラウンドの才能を持つ人間にとって最後の避難所なのだ。(ウォリック・コリンズ) |
5月 | さあ、ものどもよ、奮い立て! 舵をとる光栄を受け…。(デイヴィッド・ガリック) |
6月 | 見せるものは何もない。私の荷物は全部、船においたままなのだ。(イ・クレプス) |
7月 | 中に取り残された人間がいると考えれば考えるほど、僕はあせった。トッドがまたやってみようと、水に潜った。僕は2回ほど肺いっぱいにガボガボと水を飲んでしまったが、それでも手を貸そうと潜っていった。しかし、またしてもツキに見放された。2回目に上がってみると、トッドの姿がどこにも見えなかったのだ。(チャック・ギーグ) |
8月 | 航海には終わりが――あるいは意味が、なければならないんだ。(A.J.クィネル) |
9月 | 天国の風が吹いている。無限の海と空を取り巻いて、果てもない空間と大きな沈黙が広がっている。そこに住むものは自分の知識の領域の彼岸に横たわる…。(キャサリン・ラウトレッジ) |
10月 | 「俺は、風下のほうに少し離れて停泊している」
ハーディが言った。 「風下か」…。 「いいわね」モリイが言った。「海の話って」…。 (ロバート・B・パーカー) |
11月 | 風と波は常に、優秀な航海者に味方をする。(エドワード・ギボン) |
12月 | 私は語りかけている 心無き岸に、口無き石に、耳無き風に… ああ、応えてくれるのは ただ、波のささめき! (ジャンバッティスタ・マリーノ) |
2012年
1月 | 夜の海風、お前は誰に向かって吹いてくるのでもない。このような夜ふけに目覚めている者は、どんなにしてもお前に、堪えていかなければならないのだ。(リルケ) |
2月 | なにがほしいのよ? 海の彼方に、なにがあるとおもうの?(マックス・アラン・コリンズ) |
3月 | 勝つためには、ほんの短い間とはいえ、日本人であることを捨てなければならない…。ヨットで活動しているときは別の人間になり、陸にあがればもとにもどる、というわけだ。(ジム・ブレア) |
4月 | 海の上では、同じ日は二日とない。たぶんそれが私のような人間を惹きつけている理由なのだろう。(マイク・スパンハーケ) |
5月 | 良いセーリングと悪いセーリングの違いは鋭敏さとタイミングの感覚がどれだけ発達しているかにかかっている。…それは人に教えてもらうわけにはいかないものなのである。(パトリック・スミス) |
6月 | 工業国としての偉大さを祭る寺院は建てられていたのだが、…人々は自分たちの、それに祖国の富の拡大に夢中になっていて、ヨットレースというスポーツには目が向かなかった。(トーマス・W・ローソン) |
7月 | おまえがなんの役に立つだろう?…使おうにも使い道がない。そのままそこにじっとしていたらいい。救われる値打もない代物として海の底に沈めばいいのだ。(ダニエル・デフォー) |
8月 | わたしは海を見るのが怖ろしかった。海には何もないのを見ることがわかりきっていたからだ。(ケネス・クック) |
9月 | クルージングというのは究極の生活である。…自分の生活を眺め、自分の生活と戦うことになる。私にとってはこれが世の中を知り、自分の生きる場を手に入れる唯一の方法だったのである。(ジョン・グレニー) |
10月 | おお友好と不和とにみたされた海よ!… 平和的諸国民のおおいなる統合者が問いかける海よ!… (ジョン・ペルス) |
11月 | 海がさざ波をたててささやいていた。「もううちへ帰ったのですよ」と。…別の世界からは遠いはるかな夢と思われたが、その夢は来た。そして過ぎ去った。(F.ナンセン) |
12月 | 海にはかならず果てがある。(マーティン・フロビッシャー) |
2011年
1月 | 誰も漕ぎ入れたことのない海を、誰も波を切ってすすんだことのない遠くまで行くのだ。(R .アムンゼン) |
2月 | 七番目の波がいちばん悪い波、大海の強風のうねりのなかでもっとも損害を与える波だといわれている。(ティム・セヴェリン) |
3月 | 船乗りならみなそうですが、……しなければならないのは用品袋にものを詰めることだけで、それでいつでも出かけられるのです。(ボルニ・ペアトルソン) |
4月 | 私は子供たちにもう一度説明した。すなわち、海は沈黙の世界であるから小さな子供たちはそこに行ったとき黙っていなければいけないのだということを……。(ジャック・クストー) |
5月 | 口笛を吹いて風を呼んだほうがよさそうですね。もっと確実に風が吹くように。(グンナル・H・オウラフソン) |
6月 | いかに知り尽くしても、海は私たちの心を強く動かす呪文を投げかけてやまない。……それは人間の血のなかにある。(ルーク・カイバース) |
7月 | 無意味な議論が繰りかえされている。すべては神の偉大な摂理しだいであり、運不運を握るのは果てしない海だ。(サミュエル・ピープス) |
8月 | 何と不条理な運命が彼の足をすくったことか。彼は他の追随を許さぬ断固たる熱意で、……あらゆる海岸を探索し、すべての海を渡ってきた。(ジョージ・B・エアリー) |
9月 | 現在の科学では、潮の干満の摩擦がブレーキになって、地球の自転速度が遅くなっていることが判明している。(デーヴァ・ソベル) |
10月 | 彼らは、海に船を出し、大海を渡って商う者となった。…主は仰せによって嵐を起こし、波を高くされた…主は嵐に働きかけて沈黙させられた…。(旧約聖書『詩編』第107章) |
11月 | 近傍の海は胴間声で、岩穴の中から今も尚ほ怒鳴る、そして物淋しい調べは、森の悲鳴と合奏して居る。(ロングフェロー) |
12月 | 海の夜明け、広大な闇から現れてくる灰色の隙間 …何もなかった世界、何ひとつなかった世界が、ぼんやりと現れてくる。(セバスチャン・ユンガー) |
2010年
1月 | 太陽は海中に沈みけり。南風吹きも来れど、うるわしき鳥は追い来ず。(サミュエル・テイラー・コウルリッジ) |
2月 | ケープホーン回航―それは、海の男の辞書の、最後に出てくる言葉である。(ウォーウィック・M・トンプキンズ) |
3月 | 小さなボートで乗りだす人間はみな、捜索と救難の組織に対して責任がある…非常の場合の備えをすべきだし、本人がそれをやる能力を持ち、ボートがそれに適したものでなければ、乗りだすべきではない。(R・ノックス・ジョンストン) |
4月 | この島々を回るには、様々の風向きが必要ですが、風は人間が欲するようには吹いてくれない。(クリストバル・コロン) |
5月 | この国では屈強な、海に鍛えあげられた男たちが、嵐が吹き荒れようと霧がかかろうと、国民の糧である魚を捕りに、毎日海に乗り出していくのだ。(クライブ・カッスラー) |
6月 | 一瞬迷ったり、無能力だったり、というのは、われわれには許されないことだ。海の男には選択肢は一つしかない。目的地に到達したかったら、有能でほぼ完璧という状態でなければならない。(アミール・クリンク) |
7月 | 船と呼ぶあの苦難の群れ。(R・キプリング) |
8月 | 危険と困難の伴う航海で彼らの命を守るというだけの理由で彼らに対する支配権を保持してきた…。(ベニョフスキー) |
9月 | もうすぐ、もうすぐだ…。船を調達し、君たちの旅支度が済んだら、すぐに出発できる。(ウィリアム・オーエンス) |
10月 | 自分たちの船に乗って七つの海を自由に航海する。この生活のほかに、私たちの望む人生はあり得なかった。(モーリス・ベイリー) |
11月 | ほんとうはそんなものを心の底から望んではいないのだ。…心の奥底では二人とも、陽の沈む水平線のかなたへの船旅をたえず渇望している。(マラリン・ベイリー) |
12月 | 女性と海はもちろん多くの共通点を持っている。どちらもどう変化するかまるで予測がつかないし、かりに予測できたとしたら今度は退屈きわまりないに違いない。(ディビッド・ルイス) |
2009年
1月 | あの波の音は未来永劫にわたってつづき、何物もそれを止めることはできないのだ…。(サマセット・モーム) |
2月 | 海との闘いは…疲れを知らない敵との闘いであり、人間は決してこれに勝利することはない。人間に望めるのは、ただ、 打ち負かされないことだけだ。(アルフレッド・ランシング) |
3月 | たしかに、潮は満ちます、が、それはいつか引く時もあるのです…。(アガサ・クリスティ) |
4月 | どこまでもどこまでも、目の届くかぎり続く波また波。砕けるしぶき、むせび泣く風。(ウォルト・ホイットマン) |
5月 | 時が来て、船も出航準備が整ったとき、忘れていたことに突然気づくわけだ。(フリーマン・ダイソン) |
6月 | 水夫たちは海に出ると波のつぶやきに耳をかたむけ、そのなかに昔溺れ死んでいった男たちの悲しみの声を聴くという。(ケネス・ブラウワー) |
7月 | 彼は海の人間だった。太陽は海面に反射する。海こそ彼の故郷だったのである。(エリック・F・ハンセン) |
8月 | 今は海がどんなものかよく知っている。あんなことしてたら、あの旅は海の底で終わっていただろうね。(ジョージ・ダイソン) |
9月 | だめだ!わしらの海ではごめんだ!(ブラスコ・イバーニェス) |
10月 | 航海を本当に印象的なものにしたければ、ひとりでやらなければならない。(エルンスト・アービィ) |
11月 | いつでも来てくれていいんだ。橋を焼くつもりになったとき、この船はいつもここにある。(P・T・デューターマン) |
12月 | 彼は知らない 陸の上で安楽に暮らしているから、私が 凍るあの海で、どう冬を過ごしたかを (作者不詳 リチャード・ヘイマー訳アングロサクソン古詩 「海をゆく者」) |
2008年
1月 | 運命の変転がつきものである。未知の海の航海はつねにこういうことがおこる。(ジェイムズ・クック) |
2月 | この程度の天候は気にせずに船を出せるだろう。何と言っても彼は人生の大半を海とともに過ごして来た人間だ。(ウィル・クセルク) |
3月 | 人々がながめ、愛することができるような海は、過去の生活において存在する最大の資料であり続ける。(フェルナン・ブローデル) |
4月 | 海はたった一人の観客を前に特別のショーをくりひろげているみたいで、星さえもぼく一人を楽しますために光っているみたいだった。(ロビン・リー・グレアム) |
5月 | そんな場所で眠りたいと彼が望んだ、この地に彼は眠る。船乗りは海から帰り、狩人は山から帰る、そんな家に。(R・L・スチーブンソン) |
6月 | 青い月光が、消灯令下の海辺の町を照らし出す。静かな海のさざ波さえ、万人に忍び寄る悲しみの音楽を奏でているようだった。(マーク・W・サンダーソン) |
7月 | 大洋から大洋へ海図を切り替えるのは胸躍る体験だ。(フランシス・チチェスター) |
8月 | 今夜このカヌーで眠ったらいい。朝、目覚めた時、その夢のために進む力が、自分の中にきっと生まれているから。(チャッド・バイバイヤン) |
9月 | もし隣のヨットからいい条件で乗ることを頼まれても、私達の船から下りないでください。(ヴィンセント・ブラント) |
10月 | 海はとても広大だ。果てしなくつづき、つねにあらたな水平線がある。でも、神様は特別なプレゼントをしてくださった。美しく晴れわたった一日だ。(タニア・アービィ) |
11月 | 海に身をゆだねるとは、何たる狂気の沙汰だろう。(エラスムス) |
12月 | 海に出たことのない人々は、世界の半分しか見ていない。(ジャン・ド・レリ) |
2007年
1月 | あらしと取っ組み合いをするのは、何も今夜に始まったことぢゃない。(バルザック) |
2月 | 運命の風というものがある。ハリケーンのような強さで吹き荒れることもあれば、軽く頬を撫でるだけのこともある。だがその風を拒むことはできない。(ニコラス・スパークス) |
3月 | それから、その先に横たわる太平洋を見つめた。私の心のように黒々と沈んだ海を。(マイケル・ハリス) |
4月 | なにも道学者になることはない。見なさい、向こうの明るい太陽は一切を忘れている。あの青い海にせよ、あの青い空にせよ…。(メルヴィル) |
5月 | こうしてぼくたちは、絶えず過去へ過去へと運び去られながらも、流れにさからう舟のように、力のかぎり漕ぎ進んでゆく。(フィッツジェラルド) |
6月 | 浜辺と、海と、孤独 ―― これらは、真の安らぎと喜びへ旅するのを助けてくれる単なる手段にすぎない。(メアリー・アリス・モンロー) |
7月 | 独立があるのは海のなかだけです!海のなかで、支配するものに出会ったことはありません!海のなかで、わたしは自由なのです!(ジュール・ヴェルヌ) |
8月 | 行く手に横たわる大洋の鼓動を聞く思いだった。わたしはすでに一つの世界をあとにした。(ジョシュア・スローカム) |
9月 | 全ての理由は次のひと言に要約できる。つまり、ヨットに関する全てが真実であると、感じられたからだ。(スティーヴン・キャラハン) |
10月 | もしも航海をしなくなったならば、我々はもはや我々自身ではいられなくなるんだ。(ナイノア・トンプソン) |
11月 | その広大さを理解するためには、この巨大な大洋を船で周り尽くす必要があるだろう。(チャールズ・ダーウィン) |
12月 | 日がたつにつれ、風は東寄りへと変わり、やがてわれわれは本物の貿易風に乗ったことを知った。(デズモンド・バグリイ) |
2006年
1月 | 乾いた土の上で流れなくなった思念を、水によって浮かび上がらせ、帆走させようとするように。(ヴァージニア・ウルフ) |
2月 | 大きい危険がないと判断するなら出航してほしい。神の手中にあるほうが、人間の手中にあるよりも良いと思う。(ジャン・マルテーユ) |
3月 | おれは自由になるぞ。きみが船乗りとしてどんなことを感じていたのか、もうおれにもわかるようになると思う。(デューイ・ラムディン) |
4月 | これ以上ここにいても意味がない。でも、帰りたくない。無情な風、誰もいない海に。(アン・マカリスター) |
5月 | 人類が歩行を全く諦めることが考えられぬように、帆の使用が全くなくなるとは思えない。(R.C.アンダーソン) |
6月 | 水夫たちのあいだでは、馬たちは沈みゆく船のまわりでたわむれ、死にゆく者たちを迎えて跳ねまわると伝えられていた。(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ) |
7月 | 村の老人たちは子供たちに、お日さまと潮の満ち干をつかさどる女とのあいだに生まれた子供たちこそ、彼らの住む島だと教えるんだ。(デイナ・スタベノウ) |
8月 | 移動する時がきたのだ。穏やかで心地よい港から、風が吹き荒れ激動する大海原へと。どこへ向かうかはわからない。でも、そんなことはかまわない。ぼくは、もう一度自由になれたのがただうれしかった。(ホラス・ドブス) |
9月 | 波の砕ける音に、今、耳を澄ますと何かが聞こえる。以前には聞こえなかった何かが……。(マーク・アンドラス) |
10月 | ありがたいことに、そのころおれは海の上だ。(ダイアナ・ガバルドン) |
11月 | 果てしない広がりのなかにわたしの想いはしずんでいく。この海で難破するのはとても心地よいことなのだ。(ジャーコモ・レオパルディ) |
12月 | 測量鉛のとどいたことのない深い海底に、わしの書物を沈めよう。(シェイクスピア) |
2005年
1月 | どうせ間違えるのなら、現在位置を、推測より前方に考えておくほうがよいだろう。(T.ホープ) |
2月 | 海は省察にいざなう。それは広大無辺なるがゆえに、精神を無限へと向かわせるのにちがいない。(M.ジュルダン) |
3月 | 大洋はどんなに広くとも、時間にまかせて横切ることができる。その時間こそ、古代の人々が無限に持っていた必要品であり、富であったのだ。(T.ヘイエルダール) |
4月 | 海は、物欲しげな者や、欲張りや、焦っている者には何も与えず、忍耐こそが大事であることを教えてくれる。(A . リンドバーグ) |
5月 | 死に急ぐ犠牲者たちよ、諸君は海のために死んだのではない。諸君はカモメの声を聞きながら、恐怖のために死んだのである。(アラン・ボンバール) |
6月 | 心すべきことが一つあった。すべての決定権を握るのは、海だということである。(キティン・ムニョス) |
7月 | そうだ、あの人は、決して自分のものにはならないだろう! どうして海を相手に、あの人を張り合うことなどできるだろう!(ピエール・ロチ) |
8月 | 海がわたしに語りかけようとしている。わたしは耳をすませるだけでいいのだ。(リンダ・グーリーンロウ) |
9月 | 海は人間にやさしかったことはない。せいぜいが、あこがれとつるんで人を駆り立ててきただけだ。(ジョゼフ・コンラッド) |
10月 | ひとり、ひとりきり、見渡すかぎりひとりきりだ。たったひとりきりだ、この広い広い大海原で!(サミュエル・テイラー・コールリッジ) |
11月 | きょうか、あすか、さもなければあさってか、彼らはきっと貿易風をつかまえることだろう。(チャールズ・ウィリアムズ) |
12月 | 海は希望も絶望も運んでくる。あるときは財宝を、あるときは破滅を。――それともやはり、ただ盲目的に偶然を運んでくるだけなのだろうか。(ジェイムズ・セイヤー) |